GitHub Copilot、もう信じられない?私が選んだ移行先
GitHub Copilot の炎上と改悪を整理し、VS Code の使い勝手そのままで乗り換えられる 3 ツール構成(OpenCode Go / Kilo Code / Windsurf)を実体験をもとに紹介します。
2026年4月16日、VS Code の Git 拡張機能にひっそりとした変更がマージされました。PR #310226 の一行の変更が、git.addAICoAuthor のデフォルト値を "off" から "all" に書き換えたのです。
その結果、VS Code 1.118 を使っていた開発者のコミット履歴に、Copilot をまったく使っていないにもかかわらず Co-authored-by: GitHub Copilot が自動で追記されるようになりました。さらに、AI 機能を明示的に無効化していたユーザーのコミットにも同様に追記されるというバグが重なり、PR には 372 件の👎と 2 件の👍という異例のスコアが集まりました。Hacker News でも 654 件のコメントが寄せられ、担当の Principal Engineer が公式に謝罪。2026 年 5 月 3 日、デフォルトを "never" に戻す修正が 1.119 で適用されましたが、その間に約 140 万件のコミットが影響を受けたとされています。
これが、私が Copilot を手放すことを決めたきっかけです。
この記事では、VS Code をそのまま使いながら Copilot を完全に置き換える構成を紹介します。
GitHub Copilot でさらに何が起きているのか
Co-authored-by 問題の前後にも、Copilot は大きな変更を重ねていました。
2026 年 4 月 20 日、GitHub は個人向けプランについて次の変更を発表しました。
- 新規申し込みの一時停止:Pro / Pro+ / 学生プランの新規サインアップが停止
- 使用量制限の厳格化:セッション単位と週次(7日)単位の 2 段階制限が設けられ、超過するとリセットまで待機が必要
- Opus モデルの削除:Pro プランから Opus 系モデルが利用不可に。Opus 4.7 は Pro+(月額 $39)のみで利用可能
さらに 2026 年 6 月 1 日には、従量課金制(Usage-Based Billing)への移行が予定されています。月額 $10 というプランの「定額」という前提は崩れ、エージェント・チャット機能の利用量によってはコストが青天井になり得ます(コード補完は引き続きクレジット消費なし)。
GitHub Copilot が担っていた 3 つの機能
GitHub Copilot は一見「AI がコードを書いてくれるツール」ですが、実際には 3 つの機能を一括で提供していました。
機能 | GitHub Copilot | 移行後 |
|---|---|---|
AI モデルへのアクセス | GitHub Copilot の契約 | OpenCode Go |
エージェント・チャット | Copilot Chat / エージェントモード | Kilo Code |
インライン補完 | Copilot インライン補完 | Windsurf |
それぞれを独立したツールで置き換えることで、VS Code を使い続けながら Copilot への依存をゼロにできます。
移行前
└── GitHub Copilot(モデルアクセス + チャット/エージェント + インライン補完 を一括提供)
移行後
├── OpenCode Go → AI モデルへのアクセス(月 $10、初月 $5)
├── Kilo Code → コーディングエージェント(VS Code 拡張、無料)
└── Windsurf → インライン補完(VS Code 拡張、無料)
AI モデルへのアクセス:なぜ OpenCode Go にしたか
Kilo Code にモデルを提供するプロバイダーとして、3 つを比較しました。
OpenCode Go | Ollama Cloud | CrofAI | |
|---|---|---|---|
月額 | $10(初月 $5) | Pro $20 〜 | Hobby $5 〜 / 従量課金あり |
トライアル | 初月 $5 | なし | なし(無料枠で試用可) |
提供モデル | GLM 5.1・Kimi K2.6・DeepSeek V4 Pro 等 | GLM 5.1・Kimi K2.6・DeepSeek V4 Pro 等 | GLM 5.1・Kimi K2.6・DeepSeek V4 Pro 等 |
量子化 | 非明示 | ネイティブウェイト使用と明記 | 通常版 Q4_0 / 高精度版 Q8_0(2 倍価格) |
API 互換 | OpenAI / Anthropic(モデルによる) | OpenAI 互換 | OpenAI / Anthropic |
運営 | OpenCode(SST チーム)142k+ GitHub stars | Ollama 本体プロジェクト | Nahcrof LLC(他 2 社比で小規模) |
Ollama Cloud を選ばなかった理由
Pro が月額 $20 からで、OpenCode Go の 2 倍以上の価格です。試用なしで $20 から始めるのはリスクが高いと判断しました。
CrofAI を選ばなかった理由
Nahcrof LLC が運営する低価格推論プロバイダーで、$5/月から使えるのは魅力的です。DeepSeek V4 Pro や Kimi K2.6 など複数のモデルを提供しており、OpenAI / Anthropic 互換の両方が使える点も良いと思いました。
ただし、通常版のモデルは Q4_0 量子化で提供されており、フル精度と比べると応答品質に影響が出る可能性があります。高精度版(Q8_0)も用意されていますが価格が 2 倍になります。Q8_0 でも量子化自体は残るため、完全なフル精度モデルとは性質が異なる点は念頭に置く必要があります。
また、Nahcrof LLC は他の 2 社と比べると運営規模が小さく、長期的な継続性という観点での不安が残りました。
OpenCode Go を選んだ理由
初月 $5 というトライアル価格でリスクなく試せる点、そして OpenCode が SST を開発した Anomaly チームによる GitHub で 142,000 以上のスターを持つオープンソースプロジェクトであるという点から、信頼性と継続性に安心感を覚えました。量子化については明言されていませんが、他の 2 つと比較して運営の透明性という観点では頭一つ抜けています。
重要なのは、OpenCode Go は OpenCode というターミナルツール専用のサービスではないという点です。OpenCode Go のAPIキーは Kilo Code をはじめとする BYOK 対応の任意のツールから使用できます。提供モデルによって OpenAI 互換・Anthropic 互換のエンドポイントが分かれますが、Kilo Code は OpenCode Go をネイティブサポートしているため、プロバイダー一覧から選択して API キーを入力するだけで繋がります。
エージェントは Kilo Code を選ぶ理由
GitHub Copilot ユーザーに Kilo Code が刺さる理由
Kilo Code は Cline の流れを汲むオープンソースの VS Code 拡張機能で、2.2M+ のユーザーを擁します。OpenRouter での利用量では過去に 1 位を記録したこともある実績があります(現在は OpenClaw・Hermes に続いて 3 位)。
GitHub Copilot はサイドバーのチャットパネルからコード生成・編集の提案をエディター上で行うスタイルでした。Kilo Code も同様に VS Code のサイドバーから操作する形式を採っており、画面の使い方を変えることなく移行できます。
GitHub アカウントとの紐づけも不要で、Kilo Code は OpenCode Go をネイティブプロバイダーとしてサポートしているため、プロバイダー一覧から OpenCode Go を選択して API キーを貼り付けるだけで動作します。


インライン補完は Windsurf で補う
なぜ Kilo Code だけでは補完が完結しないか
Kilo Code のインライン補完は FIM(Fill-in-the-Middle)方式を採用しており、補完モデルとして Codestral(mistralai/codestral-2508)を Kilo Gateway 経由で使用します。
OpenCode Go のラインナップには Codestral が含まれていません。そのため、OpenCode Go の API キーだけでは Kilo Code の補完機能を動かすことができず、別途 Kilo Gateway のアカウントか Mistral の Codestral BYOK キーが必要になります。
Windsurf を使えば、この補完の穴をコスト 0 で埋めることができます。
Windsurf のインライン補完は永続無料
Windsurf(旧 Codeium)はシングル・マルチラインのコード補完が無制限かつ永続的に無料で利用できます。70 以上のプログラミング言語に対応しており、アカウントを作成して VS Code 拡張機能をインストールするだけで即座に補完が使えるようになります。
GitHub Copilot で慣れ親しんだ Tab キーでの補完確定という操作感もそのまま維持されます。

VS Code の AI 機能をすべて切って GitHub Copilot 不要にする
以下の手順で、VS Code 上の Copilot 依存を完全に取り除けます。
1. GitHub Copilot と GitHub Copilot Chat の拡張機能をアンインストールする
VS Code の拡張機能パネル(Ctrl+Shift+X)を開き、「GitHub Copilot」および「GitHub Copilot Chat」を検索して、それぞれアンインストールします。両方の削除を忘れずに行ってください。

2. GitHub アカウント設定で Copilot を無効化する
拡張機能を削除しても、GitHub アカウント側の Copilot 設定が残っています。github.com/settings/copilot にアクセスし、「Show Copilot」のポリシーを「Disabled」に変更します。

3. git.addAICoAuthor をオフにする(念のため)
settings.json に以下を追記します。Co-authored-by 問題の再発を防ぐためにも、明示的に設定しておくことをおすすめします。
{
"git.addAICoAuthor": "off"
}まとめ
今回紹介した構成を整理します。
機能 | ツール | 費用 |
|---|---|---|
AI モデルへのアクセス | OpenCode Go | 月 $10(初月 $5) |
エージェント・チャット | Kilo Code(VS Code 拡張) | 無料 |
インライン補完 | Windsurf(VS Code 拡張) | 無料 |
VS Code を使い続けながら、課金先とモデルの選択権を自分の手に戻せます。この構成で数ヶ月運用していますが、エージェントとしての使い勝手は Copilot 時代と比べて遜色なく、むしろ使えるモデルの幅が広がったことで柔軟に対応できるようになりました。
GitHub Copilot が合っている人を否定したいわけではありません。ただ、今回の一連の問題をきっかけに「そもそも他の選択肢を試したことがなかった」という方には、ぜひ一度試してみてほしい構成です。